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2020/05/31

QRで借りられる傘「アイカサ」

「アイカサ」とは、傘のシェアリングサービスのこと。出先で傘が必要になった時に、指定の設置場所(以下、スポット)で傘を借りて使用することができます。2018年12月、株式会社Nature Innovation Groupが、国内のビニール傘の消費を抑えることを大きな目標に、この事業をスタートさせました。

 

インターネット上でモノやサービスを共有し活用するシェアリングエコノミーは、年々その市場規模を広げています。中でも「アイカサ」は、企業が個人にモノを貸すという形態のシェアリング事業です。

 

「アイカサ」の使用方法

  • 1)スマートフォンの専用アプリもしくは、LINEからアカウントを登録する。

※支払いのためクレジットカードかLINE Payの登録も必須(持ち去り防止にもなる)

  • 2)スポットに行き、借りたい傘についているQRコードをスマートフォンで読み取る。
  • 3)使用後に返却しやすいスポットで返却用のQRコードを読み取り、傘を返却する。

 

それぞれの傘にQRコードがついているため、この使用方法が実現されています(2020年6月からは傘立てにQRコードがつけられます)。そのため、傘の貸し出しと返却が行われた2つの地点とその場所にいた時刻を、QRコードから特定することができます。横浜市内では、こうして収集できた移動実績を分析し、街の課題を抽出する試みも始まっています。

 

料金は1回24時間の使用で70円。月額280円で使い放題のプランを選ぶこともできます。「ビニール傘を買うよりも安く傘を使える」ということを踏まえた価格設定です。ただし、傘を返却しないと、同月内で420円まで自動的に料金が課せられます。

 

収益の要は、街中スポットの拡大

「アイカサ」事業には、傘を置いておくためのスポットが必要不可欠ですが、現在、その数は全国で約850(2020/4/15現在)ヶ所。これまでは、飛び込み営業で徐々にスポットを増やしてきました。(現在は、営業代行)。スポットの種類は、カラオケなどの商業施設から、駅やオフィスなどの公共的な場所まで多岐にわたります。

 

「アイカサ」の収支の内訳は非公開ですが、出資と収益の構造は以下の通りです。

 

「アイカサ」の出資と収益

「アイカサ」は、設置に至るまでの費用(物資準備や営業など)とメンテナンスなどの運用費用を出資し、各スポットで発生する設置費用や使用料の90%などが収益となります。オフィスに導入する場合は、従業員の使用料が発生しないので、月々9,000円からの設置費用のみが収益です。また、スポットと資本業務提携や第三者割当増資等で運用段階前の出資を抑えられる場合や、傘のデザインや「アイカサ」専用アプリを媒体とした広告掲載から得られる収益もあります。

 

スポット側の出資と収益

スポットを提供する企業や自治体は、初期の設置費用(税抜4,000円)、毎月の広告掲載料(税抜き1,000円)・地図掲載料(税抜き1,000円)・システム料(税抜き980円)を出資し、毎月、スポットごとに発生した「アイカサ」の使用料の10%が収益となります。

 

店舗・交通機関の「アイカサ」活用例

「アイカサ」を設置すると、収益や広告掲載による宣伝効果などが見込めますが、各スポットはこれらの経済的効果に期待する以外にも、「アイカサ」を設置する目的があります。

 

  • 1|メガネスーパーのケース

メガネスーパーでは、雨でメガネが濡れると視界が悪行になりストレスを感じるという声をきっかけに、約30店舗に「アイカサ」を設置しました。メガネスーパーの店舗を通し『快適な雨の日ライフ』を提供することを目的としているようです。

 

出典:https://i-kasa.com/2019/01/29/3980/

 

  • 2|水戸市のケース
  • 茨城県水戸市では、観光活性化を目的として、「アイカサ」を主要な観光場所10か所に設置しました。「アイカサ」があれば、傘を忘れても観光を楽しむことができます。これは、「アイカサ」が初めて行政と協定を結んだ事例です。

 

出典:https://jp.techcrunch.com/2020/01/20/i-kasa-mito/?guccounter=1

                               

                              • 3|小田急のケース
                            • 小田急線では、『傘を持ち歩かない生活を目指し、雨の日における移動を便利にする』ことを目的として、小田急線各駅を中心に「アイカサ」を設置しました。試験導入での利用実績に基づき、設置する駅を調整した上で本導入が進められました。
                • 出典:https://jp.techcrunch.com/2019/11/26/i-kasa-odakyu/

 

さらに、小田急では26駅のスポットで路線図をモチーフにしたデザインの傘を借りられます。「アイカサ」はスポットやエリアによってデザインの違う傘を借りられる点も魅力のひとつです。

 

出典:https://www.odakyu.jp/news/o5oaa1000001nihz-att/o5oaa1000001nii6.pdf

 

スポットを増加させるためには、「アイカサ」の収益性を前面に出すのではなく、各スポットが「アイカサ」によって実現できる理想の姿をイメージしてもらえるような切り口で営業していくことが大切かもしれません。

 

 

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