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旬ワード|音ジェニック~ASMR~

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2020/07/27

フォトジェニックから音ジェニックへ

 

2017年の流行語『インスタ映え』の類義語でもある「フォトジェニック」。その言葉から派生し、登場したのが素敵な音・耳から離れない音など、心動かされる音のことを指す「音ジェニック」です。同時にある音を聞いた時に生じる感覚のことを指す「ASMR(アスマー)」という呼称も浸透してきました。

 

ASMR~自律感覚絶頂反応~

 

ASMRとは「Autonomous Sensory Meridian Response」の略称。自律感覚絶頂反応と訳せます。2010年、医療ITコンサルタントのジェニファー・アレン氏がASMRという用語を考案して以来、YouTubeを中心に、ASMRを促す動画の本数や投稿者の数が伸びてきました。流行の背景には、リラックス効果を求めて音楽ではなく、音そのものを聞く人が増えたという説もあります。

 

ASMRを呼び起こす音としては、タイピングなどの作業音や、ささやき声や咀嚼音など、生活の中で自然に発生する作り込まれていない音がよく例にあげられます。楽しみ方は、自分にとってリラックスできる音や鳥肌が立つような感覚に陥る音、いわゆるフェチやトリガーとなる音を見つけることです。

 

ASMR領域は盛り上がりを見せ、YouTube以外にも『ZOWA』というASMR動画専門を扱うアプリの登場や、文化放送では「チャーハンを炒める音」だけを流し続ける特殊なラジオ番組の放送が見られました。ASMR動画作成に主流のバイノーラルマイクを使って、様々な音を録音し、手軽に発信者になることも可能です。

 

盛り上がりを見せるASMR活用

 

『pino』/追いASMR

 

2020年6月発売の『pino』(森永製菓)はASMRの体験も提供する商品です。ミント風味顆粒の食感と咀嚼音がASMRを刺激する要素になっています。ASMRが注目されるとともに、「パリッ」「シャリ」などといった咀嚼音が楽しめる食品の売り上げは伸びている傾向にあります。

 

「ピノ“プチカリッ”チョコミント」 :https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000446.000021580.html

 

さらに、「追いASMR」と題し、公式サイトで指定された音を聴きながら商品を食べることで、さらなるASMRの体験を届ける工夫がされています。

 

 

『追いASMR』:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000446.000021580.html

 

SOUNDS GOOD/ASMRブランディング

 

ASMRブームを活用した事業は、プロモーションの分野にも見られます。SOUNDS GOODとは、企業やブランドが持つ“固有な音”から埋もれている「ASMR音源※」を抽出し、リスナーに届けていくことで企業やブランドとリスナーを繋ぐ新しいブランディングの形を実現する「ブランデッドオーディオレーベル」https://www.jreast.co.jp/tokyomovinground/contents/interaction/044.htmlより)。「東京感動線」では、JR山手線周辺の環境音や「車輪のヤスリ」音を収録し、楽曲や動画を作成しています。

 

企業固有の音を取り上げることで、企業そのものや企業が大事にしている背景などにもイメージを膨らませてもらえるかもしれません。

 

山手線のヤスリがけのASMR:YouTubeより

 

さらなるASMRマーケティング

 

ASMRが商品やプロモーションにも採り入れられていますが、他にもマーケティングへの展開方法がありそうです。

 

1|ASMRでサービス向上を狙う
リラックスのためにASMRを求める層に向けて、近年、瞑想体験ができる『Medicha』や一日中ゆったりできる巨大温浴施設「スパジアムジャポン」のようなリラクゼーション施設で使用するBGMや効果の一部に「ASMR音源」が使われています。音の面からサービス向上をはかることで、ユーザーにより高い癒し効果や満足度を感じてもらえる可能性があります。

 

2|ASMR×サウンドテックで新たな消費を生む
緻密で繊細な音を再現できる「ハイレゾ」や3,000年前のミイラの声を復元した「3Dプリンター」など、音声技術も発展してきました。エモ消費の観点から、「もう聞けなくなってしまった音や声」に興味を抱く人もいるでしょう。そこにASMRを掛け合わせることで、新たな領域の音やターゲットも開拓できるかもしれません。

 

3|音デザインで人気を獲得する
スマホのアプリやキャッシュレス決済など、ある操作が完了すると特定の音が出るユーザーインターフェースに、ユーザーの嗜好に合うASMRを起用して、サービス利用率の増加や認知度向上の効果も見込めるでしょう。また、国内外で特定の音に対する同義の認知が広まれば、ユニバーサルデザインとしての役割も担うことができるかもしれません。

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