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2019/07/29

D2Cとは?

 

D2Cとは、“Direct to Consumer”のことで、製造小売り業者が自社製品を販売する時に一切店舗を介さずに自社のECサイトで直接販売するビジネスモデルを指します。

 

1990年代後半からは、ユニクロに代表されるように小売業が製品の企画~生産~販売まで一貫して自社で行う垂直統合型のビジネスモデルであるSPA(speciality retailer of private label apparel)が普及してきましたが、D2CはこのSPAから派生したもの。製品の「企画・生産・販売を一貫して行う」という点においては、D2CはSPAと同じサプライチェーンモデルですが、「店舗販売を行わず、自社運営のECサイトを主要な販売チャネルにする」という部分が異なります。このことから、D2Cは「オンラインSPA」や「EC版SPA」とも言われます。

 

【メリット1】消費者インサイトが得られる

 

顧客一人ひとりの情報が、購買情報などの限られたデータしか得られない店舗運営に対し、D2Cは顧客の“具体的な情報”を収集できるのが最大のメリット。例えば、ECサイトへの会員登録を通して顧客のデモグラフィック属性を把握し、アクセスログでECサイト内の行動フローを分析すれば、個々の顧客から全体の傾向やトレンドを知ることも。ECサイトで得た顧客情報を参考に、市場のニーズ分析や新製品の開発を行えば、商品の需要と供給のミスマッチを減らすことにつながります。

 

【メリット2】顧客とのタッチポイントが増える

 

D2Cは販売チャネルがECサイトに限定されるので、サイト内での接客が顧客ロイヤルティの創出に大きく影響します。アクセスログとマーケティングオートメーション機能を連携させることで、SPAモデルでは難しかった「全ユーザーへの個別の販売促進が」可能になり、顧客との接点を増やすことができます。

 

例えば、ECサイトを訪れた顧客のウェブサイトでの行動を基に、キャンペーンやセールなどのオトクな情報を盛り込んだメールマガジンや、在庫入荷の通知、おすすめ商品の紹介などをパーソナライズできます。このように顧客の要望や潜在ニーズに寄り添った情報を発信し、さらなる優良な顧客体験を生み出すサイクルができるので、高いロイヤルティを持った顧客の創出にもつながりやすくなります。

 

【メリット3】ブランドメッセージのコントロールがしやすい

 

D2Cは、売り場がECサイトに限定されるため、スクリーン上のキービジュアルやキーカラー、テキストのフォントやコピーなどの修正を加えるだけで、ブランドメッセージをダイレクトに顧客へ伝えられます。ECサイトを一新するだけでブランドイメージを簡単に変えられるため、従来に比べ、低コストで効率の良いブランディングが実現できそうです。

 

アメリカ発のD2CアパレルブランドのEverlaneは、「徹底した透明性(Radial Transparency)」をブランドコンセプトに掲げ、製造工場名や従業員数、商品一つひとつの製造原価に至るまでの情報をECサイトで開示しています。情報の透明性をアピールすることでEverlaneのブランドアイデンティティはエシカル消費者の間で広く認知され、2010年の創業から9年足らずで38か国に展開し、推定売上は1億ドル以上に上る売り上げを上げています。

 

商品は製造コストを明記し、従来のアパレルでの販売コストを“伝統的な価格”としてEverlaneの販売価格と比較している。 

 

眼鏡の100%EC販売で成功:ワービー・パーカー

 

アメリカで眼鏡販売のスタートアップとして2010年に創業したワービー・パーカーは、創業当時、D2Cモデルの販売方法で一般的な眼鏡の価格の1/4の価格で良質な眼鏡を販売しビジネスを成功させたことから、D2Cの先駆け企業とも言われています。

 

D2Cで中間業者を省いてコストカットした分を、自宅で眼鏡の試着ができるHome Try-Onの導入や購入人数分の眼鏡を発展途上国に寄付するCSR活動などに充て、ターゲットであるミレニアム世代に満足度を提供する仕組みを作り上げました。

 

その結果、ECサイトでの徹底したブランディングで継続的に眼鏡の購入をするロイヤルティの高い顧客の獲得に成功。現在ワービー・パーカーは試着体験を目的とする実店舗も展開していますが、主販ルートはECサイトとしており、年間1億ドルの利益を上げています。

 

ECサイトのサービスにHome Try-Onを導入することで、利用者は商品を購入する前に実際の商品を試着できるため、

EC特有のサイズ違いやイメージ違いなどの不安の払拭につながる。

 

UGCの活用で、コスト削減して集客数アップ:Glossier

 

アメリカで爆発的人気を誇るコスメブランド、GlossierはD2CモデルでECでの商品の販売を徹底しています。Glossierはターゲットである若い女性の利用比率が高いInstagramとYouTubeを利用した購入者のUGC(user generated contents)で集客コストとなる広告費を抑え、ECサイトへの集客を増やすことに成功しました。

 

Glossierは購入者に商品を配送する時、SNS映えしそうなステッカ―を商品に同封して、購入者による自発的な「#Glossier」の拡散を行った結果、20代の女性の目に留まり、認知度が向上したようです。Glossierのこれまでの累計売上は8,600万ドルですが、売り上げ比率の僅か20%は広告で、残り80%はブログ・消費者の口コミからと、SNSを上手く活用したECサイトへの集客で成功しています。

 

注文した商品と一緒にステッカーが同封されており、購入者の投稿意欲を掻き立てる。

 

また、2018年にはInstagramにInstagramショッピング機能の運用を開始し、Instagramの投稿から直接ECサイトへの誘導が可能になりました。利用者がタグをタップするとInstagramアプリ内で商品の詳細を閲覧でき、購入したい場合は、商品を販売している外部のECサイトに遷移できる仕組み。SNSは、D2Cにとって「情報収集」や「発見の場から購入検討の1ステップ」に組み込まれ、なくてはならないチャネルになっています。

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