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2021/05/28

急速に広がりを見せるラベルレス

 

近年、ペットボトルにラベルをつけない「ラベルレス飲料」が急速に広がりを見せています。ラベルレスのメリットは、容器を捨てる際にラベルを剥がして分別する手間が減らせるだけでなく、ゴミの削減にも寄与します。

 

 「アサヒ おいしい水」天然水 ラベルレスボトル
https://www.asahiinryo.co.jp/labelless/

 

2018年にアサヒ飲料が、天然水のケース販売でラベルレス飲料を業界に先駆けて展開しました。それ以来、ネット通販を中心に飲料メーカー各社が次々と続き、現在ではコンビニでもラベルレス飲料を見かけるようになりました。

 

ラベルレス飲料が急速に普及した背景には、コロナ渦の巣ごもり需要が関係しているようです。外出自粛で利用が増えたネット通販。飲料の箱買い需要が増加し、それに伴って廃棄に手間の少ないラベルレス飲料の需要も高まったと考えられます。また近年、ビニール袋の提供廃止を発端とする消費者のプラスチックゴミへの意識が向上しており、こうしたエシカル消費の風潮も、ラベルレスの追い風になっているでしょう。

 

 

ラベルレスにおけるデザインとは?

 

ニーズが高まっているラベルレス飲料ですが、消費者に与える印象を左右するラベルが無いことで、ユーザーの心理的に受け入れられづらいという問題点がありそうです。実際、コカ・コーラシステムが実施した調査では、ラベルレス飲料に対して「美味しくなさそうに見える」や「中身を移し替えているようで貧乏くさい」といった意見があったそうです。

 

そこで飲料メーカー各社は、こうしたネガティブな消費者心理を払拭するためのデザインに工夫を凝らしています。ここでは、飲料メーカー2社のラベルレス飲料を例に、「ラベルレスにおけるデザイン」について考えたいと思います。

 

1|コカ・コーラの取り組み
コカ・コーラはデザイン性の高い独自形状のペットボトル形状を開発し、「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」に採用しました。同社は、「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」を「外でも持ち運びしたくなる、水を想起させるような形状のデザインボトル」としています。ボトル形状を洗練させることで、ラベルレスの「味気なさ」を払拭したデザインの例と言えます。

 

コカ・コーラ「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」
https://www.i-lohas.jp/products/labelless/

 

2|サントリーの取り組み
サントリーは2020年に4月に、緑茶飲料である「伊右衛門」の大規模なリニューアルを行いました。リニューアル前の伊右衛門を含め、多くの緑茶飲料が「緑茶」と言いつつ茶色だった中で、リニューアル後の伊右衛門は緑茶本来の緑の水色(すいしょく)をしています。ラベルレスにすることで、この色を効果的にアピールでき、消費者に商品の特徴が伝わるメリットがあります。

 

実際に、コンビニエンスストア限定でシール式ラベルのついた「伊右衛門ラベルレス」を、2020年の4月と8月に数量限定で販売し、2021年の3月から再販売するほど好評だったようです。商品の印象を伝えにくくなるラベルレスを、うまく生かした例と言えます。

 

サントリー「伊右衛門ラベルレス」
https://www.suntory.co.jp/softdrink/iyemon/

 

このように、「ラベルレスにおけるデザイン」として、コピーやイラストに頼らないで、ペットボトルの形状や商品そのものの色を活用した直感的な印象で選ばれるデザインが、今後はますます広がってくるかもしれません。

 

 

ラベルの代わりとなる「QRコード」

 

これまでラベルに表記できていた商品の長所やコンセプトといった商品紹介ですが、ラベルレスにより今後はデジタルに移行していくかもしれません。すでに、デジタルを活用して商品紹介を行っているラベルレス飲料として、アスクルの「LOHACO Water」が挙げられます。

 

通信販売会社であるアスクルが販売するオリジナル天然水の「LOHACO Water」は、ペットボトルのキャップ部分にQRコードがついています。このQRコードをかざすことで、アスクルの通信販売サイトである「LOHACO」の商品紹介ページを閲覧でき、そのまま購入までできます(箱販売のみ)。このシステムによって、消費者はLOHACO Waterのストックが少ないと感じたときに、飲んでいるボトルのQRコードを読み取ることで、すぐに補充できます。

 

アスクル「LOHACO Water」
https://lohaco.jp/event/lohaco_water/?sc_i=p_w_b_vt_r_lohaco_water

 

現在の「ラベルレス」は飲料がほとんどですが、今後は飲料以外への展開も予想されます。現に、菓子製造・販売会社である「たねや」は、和菓子製品である「ラベルレス たねや寒天 小豆」を通信販売で展開しています。

 

飲料はもちろん他の食品にもラベルレスが普及したとき、スーパーやコンビニの風景はどう変わっていくでしょうか?もしかしたら、ラベルレス商品だけが整然と陳列されているのかもしれません。その中で、どのような商品が消費者に選ばれるのか。今後は、デジタルの活用を含めた各社の創意工夫が求められていると言えそうです。

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