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旬ワード|つながり孤独

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2020/07/30

SNS上で多くの他者と交流しているものの―表層的なコミュニケーションに孤独感を覚えたり、友達の華やかな生活と自分の暮らしぶりを比較して劣等感を抱く―といった現代の若者に特に多いといわれる症状は、2018年7月にNHKの「クローズアップ現代+」で「つながり孤独」と呼称されて以来、注目されています。

 

つながっているはずのSNSで、なぜか孤独を感じてしまうhttps://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/104/

 

 

「承認欲求」とSNSの限界

 

早稲田大学の石田光規教授は、SNSでつながることによる「好みの相手を簡単に探すことができる自由」と同時に起こる「自分が選ばれないかもしれない不安」や「自分を否定されてしまう不安」であると、「つながり孤独」について分析しています。

 

言い換えれば、「つながり孤独」とはSNSが併せ持つ「つながり機能」と「承認機能」が同時に作用できていない「SNSの限界」によって起こるものと言えるかもしれません。黎明期のSNSはまだ“いいね”などもなく、「つながり機能」がサービスの大半を占めていました。ユーザーはインターネット上で現実世界よりも多くの人とコミュニティを築くことで「社会的欲求:家族や組織など、何らかの社会集団に所属して安心感を得たいという欲求」を満たしていました。事実、現在世界最大のSNSと称される「Facebook」も、アメリカの高校や大学の交流を図るために、新入生の顔写真とプロフィールを掲載した「フェイスブック」と呼ばれる紙の名簿を配布する習慣のオンライン版として普及したものが始まりです。

 

SNSがユーザーの「社会的欲求」を満たすにつれ、新たに「承認欲求」を満たしたいという需要が生まれました。Facebookでは「いいね!」ボタンの実装(2009年)など「承認機能」の拡張が行われたり、「Instagram」(2010年)「TikTok」(2016年)のような自分に集まる注目を可視化できる「承認機能」に特化したSNSが流行し始めたりしました。ユーザーは自身の「承認欲求」を、投稿につく「いいね!」を使って満たそうとするようになってきたわけです。

 

しかし、「承認欲求」を満たすためにSNSを利用するユーザーは、しばしば自らの人生に重要でないはずの他人の投稿を見て、疎外感や劣等感を感じてしまうことがあります。そうした負の感情に苛まれながらも、自身の「社会的欲求」を満たすためにSNSを手放せない―というジレンマを抱えているのが現実のようです。SNSユーザーの「“いいね!”を押す義務感が苦痛」「寂しいという感情をごまかすためにスマホを手放さない」という苦痛の原因はここにあるのでしょう。

 

 

「つながり孤独」を解消する工夫

 

「つながり孤独」は、「承認欲求」を満たす際に、他人と比較をしてしまうことで起こるものだとすると、これからのSNSには他人と比較せずに自己の「承認欲求」を満たす工夫が求められてくるでしょう。

Zenlyはストレスフリーに友人と連絡が取れるhttps://zen.ly/ja

 

例えば、「Instagram」。2019年から他人の投稿についた「いいね!」の数を見ることができなくなりました。また、チャット機能を搭載した位置情報共有サービス「Zenly」のような「承認機能」を排除した「つながり機能」特化型SNSも登場するようになりました。

 

「Zenly」は、位置情報の共有に特化し、常にお互いに現在地を見せ続けているという点で従来のSNSと大きく異なった特徴を持っています。ユーザーはそれぞれの居場所を認知しあうことができますが、その際、互いの存在は「Zenly」上に映るだけで、相手が何をしているかまで瞬間的には分からないため、「つながり孤独」の原因となる情報を知ることはありません。それだけでなく、友人と連絡を取って落ち合い、楽しい時間を共有できる可能性があります。

 

Zenlyアプリ

android版はこちら→

iOS版はこちら→

 

旬ワード|音ジェニック~ASMR~

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2020/07/27

フォトジェニックから音ジェニックへ

 

2017年の流行語『インスタ映え』の類義語でもある「フォトジェニック」。その言葉から派生し、登場したのが素敵な音・耳から離れない音など、心動かされる音のことを指す「音ジェニック」です。同時にある音を聞いた時に生じる感覚のことを指す「ASMR(アスマー)」という呼称も浸透してきました。

 

ASMR~自律感覚絶頂反応~

 

ASMRとは「Autonomous Sensory Meridian Response」の略称。自律感覚絶頂反応と訳せます。2010年、医療ITコンサルタントのジェニファー・アレン氏がASMRという用語を考案して以来、YouTubeを中心に、ASMRを促す動画の本数や投稿者の数が伸びてきました。流行の背景には、リラックス効果を求めて音楽ではなく、音そのものを聞く人が増えたという説もあります。

 

ASMRを呼び起こす音としては、タイピングなどの作業音や、ささやき声や咀嚼音など、生活の中で自然に発生する作り込まれていない音がよく例にあげられます。楽しみ方は、自分にとってリラックスできる音や鳥肌が立つような感覚に陥る音、いわゆるフェチやトリガーとなる音を見つけることです。

 

ASMR領域は盛り上がりを見せ、YouTube以外にも『ZOWA』というASMR動画専門を扱うアプリの登場や、文化放送では「チャーハンを炒める音」だけを流し続ける特殊なラジオ番組の放送が見られました。ASMR動画作成に主流のバイノーラルマイクを使って、様々な音を録音し、手軽に発信者になることも可能です。

 

盛り上がりを見せるASMR活用

 

『pino』/追いASMR

 

2020年6月発売の『pino』(森永製菓)はASMRの体験も提供する商品です。ミント風味顆粒の食感と咀嚼音がASMRを刺激する要素になっています。ASMRが注目されるとともに、「パリッ」「シャリ」などといった咀嚼音が楽しめる食品の売り上げは伸びている傾向にあります。

 

「ピノ“プチカリッ”チョコミント」 :https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000446.000021580.html

 

さらに、「追いASMR」と題し、公式サイトで指定された音を聴きながら商品を食べることで、さらなるASMRの体験を届ける工夫がされています。

 

 

『追いASMR』:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000446.000021580.html

 

SOUNDS GOOD/ASMRブランディング

 

ASMRブームを活用した事業は、プロモーションの分野にも見られます。SOUNDS GOODとは、企業やブランドが持つ“固有な音”から埋もれている「ASMR音源※」を抽出し、リスナーに届けていくことで企業やブランドとリスナーを繋ぐ新しいブランディングの形を実現する「ブランデッドオーディオレーベル」https://www.jreast.co.jp/tokyomovinground/contents/interaction/044.htmlより)。「東京感動線」では、JR山手線周辺の環境音や「車輪のヤスリ」音を収録し、楽曲や動画を作成しています。

 

企業固有の音を取り上げることで、企業そのものや企業が大事にしている背景などにもイメージを膨らませてもらえるかもしれません。

 

山手線のヤスリがけのASMR:YouTubeより

 

さらなるASMRマーケティング

 

ASMRが商品やプロモーションにも採り入れられていますが、他にもマーケティングへの展開方法がありそうです。

 

1|ASMRでサービス向上を狙う
リラックスのためにASMRを求める層に向けて、近年、瞑想体験ができる『Medicha』や一日中ゆったりできる巨大温浴施設「スパジアムジャポン」のようなリラクゼーション施設で使用するBGMや効果の一部に「ASMR音源」が使われています。音の面からサービス向上をはかることで、ユーザーにより高い癒し効果や満足度を感じてもらえる可能性があります。

 

2|ASMR×サウンドテックで新たな消費を生む
緻密で繊細な音を再現できる「ハイレゾ」や3,000年前のミイラの声を復元した「3Dプリンター」など、音声技術も発展してきました。エモ消費の観点から、「もう聞けなくなってしまった音や声」に興味を抱く人もいるでしょう。そこにASMRを掛け合わせることで、新たな領域の音やターゲットも開拓できるかもしれません。

 

3|音デザインで人気を獲得する
スマホのアプリやキャッシュレス決済など、ある操作が完了すると特定の音が出るユーザーインターフェースに、ユーザーの嗜好に合うASMRを起用して、サービス利用率の増加や認知度向上の効果も見込めるでしょう。また、国内外で特定の音に対する同義の認知が広まれば、ユニバーサルデザインとしての役割も担うことができるかもしれません。

旬ワード|人間拡張テクノロジー

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2020/07/22

「自動車は人間の足の拡張である」

こう論じたのは、メディア研究者のマーシャル・マクルーハン(1911~1980)。彼は「メディア」という言葉を「身体の拡張」と位置付けました。そして今、あらゆる分野において、「人間拡張テクノロジー」が次々と萌芽しています。

 

 

「拡張」する身体と脳 

 

ロボットやAIなどを駆使して、人間の能力を高める「人間拡張」は、大きく2つのパターンに分けられます。第一に、身体の拡張:車や眼鏡を代表とする機械によって、人間の身体能力が補われたり増強したりするという考え方があり、さらに2つに分類できます。

 

まず、マイナスをゼロにするための拡張です。身体的なハンディキャップを解消することが目的と言えるでしょう。たとえば、視力を失った人が、義眼の視界をスマホ上に映せる装置を目に装着すること(アイボーグ化)や、義手を付けることなどはこのグループに入ります。身体の大部分を「拡張」させた人物―ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症したピーター・スコット・モーガン博士(ロボット工学の専門家)は、自身の身体を機械に置き換える手術を2019年に完了させました。彼は「ピーター1.0」としての最後の投稿で、自分は死ぬのではなく変容するのだと綴っています。

 

 

モーガン博士のTwitter投稿

https://twitter.com/drscottmorgan?lang=en

 

次に、ゼロをプラスにするための拡張です。身体能力の向上が目的になっており、少ない力で重いものを持てるようになる「マッスルスーツ」などが例に挙げられます。「着る筋肉」とも紹介されており、文字通り筋肉を拡張する事例だと言えるでしょう。

 

第二に、脳の拡張:VRをはじめとしたテクノロジーによって、人間の認知スピードが向上したり認知情報が増えたりするという考え方です。脳の拡張には、スマートグラスなどに代表される「知覚の拡張」、ARやホログラムによる「存在の拡張」、そして他者の視覚などを共有する技術であるジャックインといった「認知の拡張」の3種類があります。

 

 

2020 渋谷拡張

 

「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」によって、渋谷が拡張しています。去る2020年5月19日(火)、「#渋谷攻殻 NIGHT by au 5G」を皮切りに「バーチャル渋谷」が渋谷区公認の配信プラットフォームとしてオープンしました。ここではアバターを作成して入場することで、参加者とバーチャル空間でコミュニケーションを取ることができます。

 

「#渋谷攻殻 NIGHT by au 5G」

https://www.fujitv-view.jp/article/post-106743/

 

 

さらに、リアルスタジオ「SUPER DOMMUNE tuned by au5G」からはアーティストによるライブ配信も行われています。このスタジオでは、5G通信を駆使したAR技術による演出が可能で、2020年6月24日には「DAOKO『anima』release Talk & Live」が開催され、世界から7万人に視聴されました。

 

「DAOKO『anima』release Talk & Live」

https://shibuya5g.org/article/daoko-anima-release-talk-live-report/)

 

 

拡張、そして融合

 

人間拡張が進むことで、リアルとデジタルの垣根はますます薄くなっていくでしょう。身体の拡張と脳の拡張では、影響範囲が変わってくることが予想されるものの、大局的にはリアルとデジタルの融合が加速していくという見通しが立てられそうです。

 

まず、身体の拡張の分野では、「超人スポーツ」が注目されるのではないかと推測できます。生得的な能力に依らない競技が増えれば、新しいユニバーサルスポーツとしての地位を確立するかもしれません。さらに、試合中に選手についての即時的なデータが見られたり、守備範囲がコート上に示されたりすれば、スポーツ観戦のあり方にもインパクトをもたらすでしょう。

 

次に脳の拡張の分野ですが、わかりやすいのは、ライブをはじめとしたオンラインイベントの増加です。従来ならば会場に足を運んでいたイベントも、オンラインで行われることが多くなっています。

 

この潮流は、OMOが進化する可能性を持っているように考えられます。デジタルでの購入の際ネックになりがちなのが、実際のサイズ感や感触がわからないということです。しかし、ARやVR、また知覚分野における拡張技術の発達により、商品購入をデジタルで選ぶのも、リアルな店舗で選ぶのも、違いがあまりないということになるかもしれません。その場合、両者それぞれに新しい顧客体験を価値づける工夫が必要になるでしょう。

旬ワード|クラウドゲーム

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2020/06/29

ゲームライフを変えうる魅力

 

今日、5Gの到来に伴って、Googleの「Stadia」 をはじめとしたプラットフォームが発表されたこともあり、ますます私たちにとって身近になったクラウドゲーム。ひとことで言うと数値やコマンドのような最低限の処理だけでなく、映像処理を含めたすべての処理をサーバー上で行うシステムです。クラウドゲームは、従来のゲームと異なる3つの革命的な特長を持っています。


(人々は様々なデバイスから「Stadia」などのクラウドゲームサービスに接続することで

気軽にゲームをプレイできる。)

 

特長1:デバイスに依存しない

これまで高精度のオンラインゲームでは、映像処理はクライアント側で行われるため、ユーザーは高精度のグラフィックボードを搭載したPCを購入する必要がありました。しかし、クラウドゲームでは、映像処理を含めたすべての処理がサーバーで行われるため、ユーザーは高性能なPCを買わずとも、ネットワークに接続されているテレビやスマホでPCユーザーと同じタイトルのゲームをプレイできるようになります。

 

特長2:簡単に始められる

ユーザーは、ゲームソフトのインストールをする必要はもちろん、追加機能に対するアップデートを行う必要もなくなります。私たちは、「ソフトのダウンロードに時間がかかってゲームを始められない」という苦い体験をしなくて済むでしょう。

 

 

特長3:快適にプレイできる

プログラム処理をクライアント側で行う従来のオンラインゲームは、チーター(プログラムを改ざんし不正行為、チートをはたらく人)の存在に悩まされていました。ゲーム内でチートが横行するとプレイヤーの不満がたまり、ゲームの運営はチーターの発見と対策に費用を費やさねばなりません。しかし、処理がすべてサーバー上で行われるクラウドゲームでは、プログラムを改ざんすることが困難なため、よりフェアなプレイ環境が整うと予想されます。

 

以上3つの特長により、クラウドゲームのプレイヤーは、数十万円するPCへの投資を惜しまないコアゲーマーのみならず、ゲームは好きだが、あくまで娯楽の一環であるとするカジュアルゲーマーにまで広がるといわれています。

 

 

マーケティングツールとしての可能性

 

以前よりも幅広いユーザーがゲームに熱中することは、企業のマーケティングに主に2つのインパクトを与える可能性があります。

 

1つ目は、ゲームメディアでの広告効果が上がるということ。Twitchをはじめとしたゲーム配信サイトでの広告掲載やゲームインフルエンサーとのコラボは、今まで以上に効果的なマーケティング手段となるでしょう。特に2020年は、人々のゲームライブの視聴時間が前年比で17%増加していることからも、ストリーマーとのコラボの効果は非常に大きいと予測できます。

 

2つ目は、サイコグラフィック分析を、従来の購買履歴や趣味趣向の分析だけでなく、「バートルテスト」という分析手法を用いて行えるということです。

「バートルテスト」は、プレイヤーがゲームの何をどのように楽しむかで4分類するものですが、マーケターは、これとクラウドに一元管理されたゲームのプレイ履歴とを組み合わせることで、次のようにゲーマータイプ別に顧客単価を上げる施策を講じることができるかもしれません。

 

●消費者のゲーム嗜好にアプローチする方法

 

まず、ゲーム内世界を主体的に楽しみたい「アチーバー」な消費者は、自分自身が物事をどれほど達成できたかで満足度が変わります。彼らには、企業との関係の中でミッションとその達成に対する報酬を与えることで、顧客関係を強化できるでしょう。

 

ゲーム内世界を楽しむという点において「エクスプローラー」は「アチーバー」と似たもののように感じられますが、新しい発見を好み、単純作業を嫌うという特徴があります。彼らには、商品に簡単には見つからないオリジナリティのある発見要素を設けることで関係強化が見込めるかもしれません。例えば、不二家の「ミルキー」の包み紙には、稀に三つ葉のクローバーの中に四つ葉が紛れていますが、これもオリジナリティのある発見要素のひとつといえるでしょう。

 

他プレイヤーに対して主体的に関わることを好む「キラー」な消費者は、相手よりも自分が秀でていることに満足する傾向があります。彼らには、企業と関わることで他の顧客よりもVIP扱いされるようなランキングシステムを提示することで、より密接な関係を構築できるでしょう。

 

最後に、ゲーム内での他プレイヤーとの相互的な関わり合いを好む「ソーシャライザー」な消費者。彼らには、購入によって他者との交流が促進されることをアピールできれば、効果的な購買につなげられるかもしれません。

 


(深田浩嗣『ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足』

ソフトバンククリエイティブ株式会社、2011年、59頁を参照)

 

カジュアルゲーマーをどう取り込むか

 

このように、クラウドゲームが流行することは、企業のマーケターに大きなメリットをもたらすと考えられます。しかし、ある問題を解決しなければなりません。それは、クラウドゲームサービスが、月額1,000円~2,000円のサブスクリプションモデルを採用しているものの、映像や音楽のサブスクリプションのように「なかなか解約されない」とは限らないということです。

 

現状、クラウドゲームのプラットフォーム「G-cluster」では、「ファイナルファンタジー」シリーズの過去作といった、明確なゲームクリアの規定が設けられているタイトルがラインナップされています。しかし、ユーザーにとって、そのようなゲームは、わざわざ継続課金でプレイするより、これまでのようにゲームストアで一括購入する方が効率的だと認識されるでしょう。

 

クラウドゲームが、カジュアルゲーマーに継続利用されるには、前述したクラウドゲームならではの特長を活かしたタイトルや楽しみ方を提供する必要があるでしょう。例えば、高機能PCでしかプレイできないハイスペックなゲームを、クラウドゲームでもプレイできること。あるいは、今まで高精度のハードウェアを持てずに、視聴することでしかゲームを楽しめなかったユーザーが、ゲームインフルエンサーとゲーム内でコミュニケーションできること、といったものです。

 

より多くの人を1つのプラットフォームに集めることは、ゲーマーやゲーム会社、スポンサー企業にとって今までにない可能性を開くことでしょう。

旬ワード|クリーンミート

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2020/06/26

培養技術が生んだ代替肉

 

ある代替肉(肉の味や食感を再現した食品)が、SDG’s推進のために国内外で話題です。代替肉は、大豆などの植物由来の原料をベースにしたものと、家畜の細胞を取り出して培養したものに大別されます。なかでも、いま注目を浴びているのが後者の「クリーンミート」。クリーンミートは動物の飼育と殺傷をせずに、細胞の培養によって生産されます。2013年、オランダの科学者Mark Post が細胞培養肉を使ったハンバーガーを初めてデモしたことを皮切りに、人々の関心を集め始めました。

 

社会的合理性の高さが特長

 

食肉を食べるよりも健康と環境に良いといわれるクリーンミートは、SDG’sの推進にも貢献することから、市場への拡大が急がれています。

 

【健康に良い】

・食肉よりも、低脂質でコレステロールフリー

・ウイルスの感染経路を阻止

 

【環境に良い】

・動物が排出するメタンなどによる大気汚染防止

・家畜用の餌の生産・水や土地などの環境資源が不要

・培養による大量生産で、人口増加による食糧不足を解決

 

膨らむ期待

 

  • 1|高級レストランのメニューへ/ALEPH FARMS(アレフ・ファームズ)

イスラエルのスタートアップ企業ALEPH FARMS社は、3Dプリンターを使った細胞培養肉の生産に成功しました。

ALEPH FARMS社は、2021年までにクリーンミートの薄切りステーキを高級レストランで提供するのを第一の目標としています。価格は50ドルを想定しています。

 

ALEPH FARMS社が生産した薄切りのステーキ肉

出典:https://www.instagram.com/p/B-QLge4nlg4/

 

  • 2|培養技術の発展へ期待をかけ8億円増資/インテグリカルチャー

クリーンミートを低価格で販売するため、独自開発した培養技術を核に日本で事業を展開するのが、インテグリカルチャー社です。インテグリカルチャー社は、細胞培養テクノロジーの研究開発のための資金として、2019年に事業会社や個人の第三者割当増資により8億円を調達しました。資金提供者には、「日本ハム株式会社」なども名を連ねることから、国内の食品業界からの期待も高いことがうかがえます。

 

特許取得済みの独自技術プラットフォーム『CulNet System』

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000034252.html

 

「食肉レス」による影響

 

食肉消費の主な対象がクリーンミートに移行し、培養技術が他の商品の生産にも適用されていくと、変化を強いられる業界も出てきます。例えば、家畜の副産物である毛皮や革を取り扱うブランドは、製品やコンセプトまでも変えざるを得ません。家畜の餌生産を主な収入源としている第一次産業も影響を受けるでしょう。

また、培養技術は肉の生産以外にも洋服やコスメに活用され始め、家畜がいなくても代用品を立てられるよう、エシカル消費が推し進められています。

アメリカのModern Meadow(モダン・メドウ)社は、酵母培養を利用して、動物不要のレザーをつくることに成功しました。

 

モダン・メドウ社の商品ブランド『ZOA』のレザー製品

出典:https://www.gizmodo.jp/2017/10/lab-grown-leather-zoa.html

 

消費拡大の課題

 

仮に、培養によって生産されたクリーンミートや商品を手軽に購入することが可能になったとしても、人々がそれらを消費するでしょうか。クリーンミートを主要な食肉として消費してもらうためには以下の課題があげられます。

 

●安価に商品を提供すること

現時点で家畜の食肉より高価なクリーンミートの購入希望者は、高所得層よりも低所得層に多いということが明らかになりました。クリーンミートを求めている低所得者層が安価に商品を入手できるのであれば、購買行動へ踏み切ってくれるかもしれません。

 

消費者の理解を得ること

しかし、実際にクリーンミートを「食べてみたい」という人は、まだ3割弱。「食べても食べなくてもどちらでも良い」人と「食べたくない」人は、合計で約7割以上います。クリーンミートの合理性への理解が進む一方で、実際に「食べてみたい」という人はまだまだ少ないといえるでしょう。また、クリーンミートがSDG’sの観点から倫理的に良いという意見と、細胞を培養する生産方法は不自然だという論争が起きているように、消費者となり得る人たちの態度にはバラつきがあります。

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